仮想オフィスを活用したITエンジニア研修とは?
自社のIT技術力を上げるには、即戦力となるエンジニアを採用するのもひとつの手です。
しかし、そうした人材は多くの企業で求められているため、簡単には採用できません。
そのため、未経験あるいは経験の浅いエンジニアを、企業が求めるレベルのITエンジニアへ育てる目的で、IT研修を行う企業も存在します。
本記事では、ITエンジニア研修の期間やコスト、課題、おすすめの研修について解説します。
- 1.難航する即戦力のITエンジニア採用
- 2.参考になる有名IT企業の研修資料
- 3.ITエンジニア研修の課題
- 4.ITエンジニア研修ならトレノケート
- 5.250名のITエンジニア研修をハイブリッドで実施
- 6.まとめ
1.難航する即戦力のITエンジニア採用
DX推進にともない更なるデジタル技術の活用が求められている背景もあり、ITエンジニアは人材不足が叫ばれています。
この人材不足は、単なる人材不足ではなく、企業の求めているスキルとエンジニアのスキルに乖離があることが大きな原因です。
実際に、企業が求めているレベルのエンジニアを採用するのは難しいというデータがあります。
アクサス株式会社による「採用課題と背景」の調査(※1)では、9割以上の企業が「採用基準を満たすエンジニアの採用は難しい」と回答しています。
※1 【1,013名アンケート調査/ITエンジニアは人材不足ではない!?】エンジニア採用責任者の9割が口を揃える本音 (アクサス株式会社)
この調査から、いきなり採用基準を満たすエンジニアを採用するのではなく、採用した人材を企業が求めるレベルまで育成することが重要だとわかります。
また、ミクシィグループの株式会社MIXI RECRUITMENTが行ったエンジニア採用に関する調査アンケートによると、57%の企業が「実務未経験のエンジニアの採用をしたことがある」「採用したことはないが今後未経験の採用も検討している」と回答しました。
経験者採用の難易度が高いことや、実務未経験者を採用し、育成した方が早いという考えから、IT未経験でも採用に積極的な傾向が見受けられます。
そして、同調査では実務未経験のエンジニアを採用した企業のうち約78%が、実務未経験のエンジニアの採用に満足しています。
2.参考になる有名IT企業の研修資料
では、IT企業はどのような研修でエンジニア育成を行っているのでしょうか?
公開されている研修資料をいくつかご紹介します。
①サイボウズ
サイボウズの研修資料の一覧です。
新入社員に基礎的な知識・技術・ツールを学んでもらうことを目的としています。
・モバイルアプリ開発
・モバイルアプリ開発/Mobile App Development – Speaker Deck
・モバイルアプリ開発 2022年開運研修 – YouTube
・サイボウズのアジャイル・クオリティ
・サイボウズの アジャイル・クオリティ / Agile Quality at Cybozu – Speaker Deck
・サイボウズのアジャイル・クオリティ 2022年開運研修 – YouTube
・MySQL – テストデータが偏るということ
・テストデータが偏るということについて – Speaker Deck
・MySQL – テストデータが偏るということについて 2022年開運研修 – YouTube
・モブに早く慣れたい人のためのガイド
・モブに早く慣れたい人のためのガイド / A Guide to Getting Started Quickly with Mob Programming – Speaker Deck
・モブに早く慣れたい人のためのガイド 2022年開運研修 – YouTube
・テクニカルライティングの基本
・テクニカルライティングの基本 – Speaker Deck
・テクニカルライティング 2022年開運研修 – YouTube
・ソフトウェアテスト
・ソフトウェアテスト 2022 / Software Testing 2022 – Speaker Deck
・セキュリティ
・セキュリティ 開運研修2022 / security 2022 – Speaker Deck
・ソフトウェアライセンス
・ソフトウェアライセンス 2022 / Software License 2022 – Speaker Deck
また、社内限定資料でデザインや特許などの研修もあるようです。
・デザインってなあに?
・特許について
・サイボウズのWebフロントエンドについて
・社内システム入門
・ローカライゼーションと機械翻訳
・DevOps入門
・Neco入門
・サイボウズのエンジニアリング組織
・リリースの仕組み
・スクラムトレーニング
②リクルート
リクルートの研修資料の一覧です。
ソフトウェアエンジニアとしての心構えだけでなく、フロントエンドエンジニアとして活躍するために必要な知識が体系的にまとまっています。
・ブラウザ
・アプリ(Android)開発
・スライド
・Day1
・Day2
非公開ですが以下のような資料もあります。
・導入研修(資料非公開)
・データ分析ハッカソン(資料非公開)
・アプリ(iOS)開発(資料非公開)
・先輩社員によるライトニングトーク(資料非公開)
・AWS研修(資料非公開)
※今年度は非公開ですが、昨年実施分の資料は公開していますのでこちらからご覧ください
・ビジネス理解・企画系研修(資料非公開)
・紙ヒコーキゲーム(ワークショップ)(資料非公開)
・パフォーマンス系演習(資料非公開)
・スピードハッカソン (資料非公開)
③サイバーエージェント
サイバーエージェントで公開されている研修資料は次の通りです。
「品質とスピードはトレードオフなのか」「技術的負債の発生と解消方法」「凝集度と結合度」「clean architecture」などがわかりやすく解説されています。
④ミクシィ
ミクシィの公開されている研修内容には次のものがあります。
リポジトリ(データ一式をまとめたもの)も公開されているので、実際のコードを見ながら、より理解を深めることができます。
・データベース研修( 動画 / スライド1, 2 / SQL演習環境 )
・iOSアプリ開発研修( 動画 / スライド / リポジトリ )
・Androidアプリ開発研修( 動画 / スライド / リポジトリ )
・フロントエンド研修( 動画 / スライド / リポジトリ )
・ゲーム開発(Unity)研修( 動画 / スライド1, 2, 3, 4, 5, 6 / リポジトリ )
・Flutter研修( 動画 / スライド / リポジトリ )
・AI研修( スライド1, 2, 3, 4 / リポジトリ )
3.ITエンジニア研修の課題
ITエンジニア研修についてよくある5つの課題を解説します。
①研修参加者が途中で挫折する
②スキルが定着しない
③すべて内製で行うと工数がかかる
④優秀なエンジニアが有能な講師とは限らない
⑤リモートワークだと難しい部分もある
一つずつ解説します。
①研修参加者が途中で挫折する
研修の内容が参加者にとって難しすぎると、理解が追い付かず挫折する可能性があります。
参加者の知識やスキルレベルに合った研修内容や、フォローできる環境の整備が大切です。
特に新入社員はそれまでの環境や身に付けている知識が人によって異なります。
一人ひとりの理解度に気を配り、講師や先輩社員、人事などに気軽に相談できる環境を整えることで、挫折を防ぎ前向きに学習に取り組んでもらうことができます。
②スキルが定着しない
研修で学んだはずのことを、実務で活かせない場合があります。これは、研修がインプット中心で自分の手での試行錯誤を経験していないことが原因の1つです。
ITエンジニアは、内容を覚えれば済むマニュアル通りの仕事ではありません。
コーディング作業をはじめ、エラーやトラブルへの対処など、自分の頭で考え、学んだ知識を使いこなす必要があります。
アウトプットが必要なグループワークや実機での演習などを研修に取り入れると、スキルの定着を見込めます。
③すべて内製で行うと工数がかかる
一般的に、研修でやらなければいけないことは主に次の通りです。
・全体の計画の策定
・カリキュラムの作成
・研修資料の作成
・日程調整、会場などの手配
・研修
・効果測定、フォロー
IT研修の場合は、上記に演習環境の構築などが加わります。
費用と工数のバランスを考慮して、内製か外部委託かを決めましょう。
④優秀なエンジニアが有能な講師とは限らない
IT研修を行う際、社内の優秀なエンジニアを講師とするケースが多いですが、優秀なエンジニアが必ずしも有能な講師とは限らない点に注意が必要です。
例えば、本人が優秀であるために初心者が理解できない点を見過ごしてしまったり、ITスキルは高いがコミュニケーションや気配りが苦手だったりといったケースが考えられます。
研修は「教えるプロ」に頼んだ方がより安心です。
⑤リモートワークだと難しい部分もある
リモートワークの導入が進んだ企業の場合、オンラインで研修を行うケースも少なくありません。
オフラインとは異なり、参加者の顔やリアクションが見えにくいため、講師からのフォローや参加者同士のコミュニケーションが難しくなります。
チャットやブレイクアウトルームなどWeb会議の機能をうまく活用したり、こまめに質問を投げかけるなど、オンライン研修独特の対応が必要となります。
4.ITエンジニア研修ならトレノケート
人材育成の専門企業であるトレノケートの研修では、座学だけではなく実機演習やハンズオン、グループワーク、eラーニングなど複数の形式を組み合わせることで高い研修効果を実現することができます。
また、下記のようなさまざまな分野の研修コースを準備しているので、自社の新入社員に学んでもらうべき研修を必要に応じて選択できます。
・ITトレーニング
・DX
・データ分析
・AI
・クラウド
・ITインフラセキュリティ
・ネットワーク
・プログラミング/開発OS/Server
・データベース
・ベンダートレーニング
・Amazon Web Services
・Microsoft
・Cisco
・Oracle
・VMware
・Trend Micro
・ServiceNow
・Palo Alto Networks
・EC-Council
・ビジネストレーニング
・コミュニケーション
・プレゼンテーション
・リーダーシップ
・フォロワーシップ
・ライティング
・タイムマネジメント
・ファシリテーション
・プロジェクトマネジメント
・ITコンサルタント
・ITIL®
オンライン研修の実績や、少人数から100名以上まで幅広い規模の実績も豊富です。
ご興味がある方は、ぜひご相談ください。
5.250名のITエンジニア研修をハイブリッドで実施
トレノケートがSCSK株式会社様の新人研修を行った事例をご紹介します。
約250名の新入社員に対して、約60日間にわたり以下の表の研修を実施しました。
段階 | 研修期間 | 研修目的・概要 | 実施方法 |
基礎編 | インフラ 20日間 | ネットワークやデータベースの仕組みを理解し、 各種OSの構成や運用管理ができるようになる。 | オンライン/集合 (並行実施) |
基礎編 | 開発 25日間 | アルゴリズムを学んだ後、Javaを使って Webアプリケーション開発ができるようになる。 | オンライン/集合 (並行実施) |
応用編 | 総合演習 7日間 | 演習環境に必要なインフラを新入社員が自ら構築し、 Webアプリケーションをチームで開発しデプロイする。 その成果や学びを発表する。 | オンライン/集合 (並行実施) |
実務編 | 配属先別 5日間 | 総合演習までに学習したことに加え、 現場業務に必要なスキルを学ぶ。 | オンライン/集合 (並行実施) |
引用:研修サービス事例:SCSK株式会社
https://www.trainocate.co.jp/gkservices/cases/case202011.html
6.まとめ
本記事では、ITエンジニア研修について解説しました。IT人材を採用して企業が求めるレベルまで育成するためにもITエンジニア研修は非常に重要です。
トレノケートでは、新入社員研修をはじめとしてITエンジニア育成の支援を行っております。研修の内製化が難しい企業様や、研修に課題を感じている企業様はぜひ一度お問い合わせください。
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