TypeScript実践力を身につける!コードスニペットで学ぶ型付けとインターフェース
- 1. フレームワークとは?
- 2. フレームワークとライブラリの違い
- 3.JavaScriptのおすすめフレームワーク5つを比較
- 4.JavaScriptフレームワークの最新トレンド
- 5.JavaScriptのフレームワーク一覧
- 6.フレームワークの選び方
- 7.フレームワークを利用するメリット
- 8.フレームワークを利用するデメリット
- 9.フレークワークを使わないで開発は可能か?
近年、JavaScriptフレームワークの人気と需要が高まってきています。
JavaScriptフレームワークを導入すると開発効率が向上し、アプリケーション開発がよりスムーズに進められます。
本記事では、
「フレームワークとはなにか?」
「人気・おすすめのJavaScriptフレームワークは?」
といったことから、
「自分に合ったフレームワークの選び方は?」
「フレームワークを利用するメリット・デメリットは?」
といった内容まで、初級者エンジニア向けに詳しく解説していきます。
1. フレームワークとは?
フレームワークとは、WebアプリケーションやWebサイトの構築するための、汎用的な基盤や枠組みを提供するソフトウェアのことです。
フレームワークを使うことで、プログラマーはコーディング量を大幅に削減でき、高品質なアプリケーションを迅速に作成できます。
またデータベース接続やファイルアップロードなどの標準的なタスクを、すばやく実現できるのも特徴の1つです。
導入時は学習コストが高いかもしれませんが、一度マスターすると次回以降の開発効率が向上します。
2.フレームワークとライブラリの違い
プログラミングを学習していくうちに、フレームワークのほかに「ライブラリ」という言葉をよく見かけるのではないでしょうか。
フレームワークとライブラリは、ともにプログラミング作業を効率化するためのものですが、その使い方や役割には大きな違いがあります。
先ほども説明したとおり、フレームワークはWebアプリケーションやシステムを作るための枠組みや基盤を提供するものです。
プログラムのコーディング作業をサポートすることで、開発作業を効率化します。
一方ライブラリは、特定の機能や処理を実装したコードをまとめたものです。
開発者は、アプリケーションやシステムにライブラリを組み込んで使用することで、開発作業を効率化します。
3.JavaScriptのおすすめフレームワーク5つを比較
JavaScriptのおすすめフレームワークとして、React.js、AngularJS、Vue.js、Backbone.js、jQueryが挙げられます。
それぞれのフレームワークの特徴などを比較してみましょう。
フレームワーク名 | 特徴 | 難易度 |
React.js | Facebook(現Meta社)が開発したJavaScriptライブラリ。動作が速くSPAの開発に適している。 | 中 |
AngularJS | Googleが開発したフレームワーク。コンポーネント指向モデルが特徴。 | 中 |
Vue.js | 扱いやすさが特徴のフレームワーク。React.jsやAngularJSと比較して学習コストが低い。 | 中 |
Backbone.js | 必要最小限の機能を持つシンプルなフレームワーク。 | 中 |
jQuery | Webページに動的な機能を追加するJavaScriptライブラリ。使いやすいのが特徴。 | 低 |
①React.js
React.jsとは、Facebook(現Meta社)が開発したJavaScriptライブラリです。
Webアプリケーションやモバイルアプリケーションのユーザーインターフェースを構築するために広く利用されています。
React.jsはMVCモデルのView部分に特化し、状態を保持するUIコンポーネントを作成できるのが特徴です。
またオープンソースであることから、信頼性の高いフレームワークとして人気を集めています。
動作も速いのでシングルページアプリケーション(SPA)の開発にも最適です。
React.jsは、現在も頻繁にアップデートが行われており、新しい機能や改善が加わっています。
Web開発者にとって、React.jsは非常に有用なJavaScriptライブラリの1つです。
②AngularJS
AngularJSとは、Googleが開発したJavaScriptフレームワークです。
AngularJSは、複数のコンポーネントを組み合わせてWebアプリケーションを開発する「コンポーネント指向」を取り入れています。
機能単位で実装を分離できるので、初心者でもコーディングしやすいことが特徴です。
また、データバインディングという機能があり、HTMLの要素とJavaScriptのオブジェクトを紐づけられるので、複雑なデータ操作を簡略化できるのもメリットです。
AngularJSの開発元はGoogleであり信頼性が高いことから人気度も高く、Web開発者やモバイルアプリケーション開発者の間で広く採用されています。
③Vue.js
Vue.jsは、フロントエンドの開発に使用されるJavaScriptフレームワークで、Evan Youによって開発されました。
軽量でありながらも高い拡張性を持ち、ユーザーインターフェイスの構築やデータバインディングなどが容易に行えます。
また、Vue.jsは他のフレームワークとの統合も容易なため自由度が高く、効率よく開発可能です。
Vue.jsは、React.jsやAnjularJSと比較して学習コストが低く、柔軟なカスタマイズが可能なため人気があります。
また、多くの人がVue.jsを使用しているためコミュニティが活発であり、サポートが充実していることも人気の理由とされています。
④Backbone.js
Backbone.jsは、Jeremy Ashkenas氏によって開発されたJavaScriptフレームワークで、Webアプリケーションの構築に利用されます。
このフレームワークは、軽量で制約の少ないことが特徴です。
React.jsやAngularJSのようなフルスタックなフレームワークと違い、必要最小限の機能を持つシンプルなフレームワークであるため、一般的にjQueryなどと併用されます。
シンプルなフレームワークであるがゆえに、React.jsやAngularJSと比べて機能が少なく、コーディング量が多くなることから、人気度が低いといわれています。
ただし学習コストが低く、覚えることが多くないため、JavaScriptフレームワークの入門として取り入れたい方にはおすすめです。
⑤jQuery
jQueryは、John Resig氏によって開発されたJavaScriptライブラリです。Webページに動的な機能を追加するために利用されます。
jQueryを用いることで、HTML要素の操作やイベント処理などが簡単に行えるようになります。
また多くのブラウザで扱えるのも特徴の1つです。
jQueryは、ブラウザの違いを吸収して、どのブラウザでも同じコードで動作できるので、ソース管理上でも効率化されます。
jQueryを使用すると複雑なJavaScriptを書く必要がなくなるため、初学者にとって扱いやすいライブラリです。
また多くのプラグインが存在するため、様々な機能を実装できるので、人気のあるライブラリとなっています。
4.JavaScriptフレームワークの最新トレンド
JavaScriptプログラマーは効率的に仕事をするために、JavaScriptフレームワークの最新動向を把握する必要があります。
ここでは、Googleトレンド・求人情報・Qiitaの投稿数から最新トレンドを分析してみましょう。
①Googleトレンド
Googleトレンドから、どのJavaScriptフレームワーク・ライブラリがよく検索されているのかを調べてみましょう。
2022年12月現在での検索結果は、
1. React
2. jQuery
3. Vue.js
4. AngularJS
5. Backbone.js
の順で人気があることがわかります。
②JavaScriptフレームワークの求人情報
次に、JavaScriptフレームワークの求人数を見ていきましょう。
下記は、エンジニアスタイル東京で公開されている求人数です。(2022年12月時点)
案件数を見ると、Reactが11,234件で一番多く、続いてVueが9,934件となっています。
③Qiitaの投稿数
最後に、JavaScriptフレームワークのQiitaの投稿数を検索してみましょう。
ここでも、Reactが228件と一番多く、続いてVueが108件となっています。
以上のことから、Reactが最も人気があり、次いでVue.jsも人気が高いことがわかります。
フレームワークの学習を考えている方には、React、Vue.jsの学習がおすすめです。
5.JavaScriptのフレームワーク一覧
JavaScriptフレームワークは、これまで説明してきた以外にも数多く存在しています。
1つずつ詳しくは説明しきれないので、一覧表にまとめてみました。
フレームワークを選ぶ際の参考にしてください。
フレームワーク | 特徴 | 公式URL |
React.js | Meta社(Facebook)が開発したJavaScriptライブラリ。動作が速くSPAの開発に適している。 | https://reactjs.org/ |
AngularJS | Googleが開発したフレームワーク。コンポーネント指向モデルが特徴。 | https://angularjs.org/ |
Vue.js | 扱いやすさが特徴のフレームワーク。React.jsやAngularJSと比較して学習コストが低い。 | https://vuejs.org/ |
Backbone.js | 必要最小限の機能を持つシンプルなフレームワーク。 | https://backbonejs.org/ |
jQuery | Webページに動的な機能を追加するJavaScriptライブラリ。使いやすいのが特徴。 | https://jquery.com/ |
Riot.js | 小さなサイズで、カスタマイズが容易なWebコンポーネントライブラリ | https://riot.js.org/ |
Hyperapp | 高速で小さなサイズの、フロントエンドJavaScriptライブラリ | https://hyperapp.dev/ |
Ember.js | 強力なツールと大規模なコミュニティを持つ、Webアプリケーションフレームワーク | https://emberjs.com/ |
Knockout.js | シンプルで使いやすい、データバインディングライブラリ | https://knockoutjs.com/ |
Lodash | JavaScriptのプログラミングを支援するための、実用的なツールライブラリ | https://lodash.com/ |
6.フレームワークの選び方
ここでは、実際にフレームワークを選ぶ際、どのような点に注意した方がよいか説明していきます。
注意する点は、次の通りです。
・目的に合っているか
・学習コストがあうか
・将来性はあるか
以下で詳しく解説します。
①目的に合っているか
JavaScriptフレームワークを選ぶ際には、まずプロジェクトの目的を明確にすることが重要です。
そして、その目的に合ったフレームワークを探しましょう。
例えば、大規模なWebアプリケーションシステムを構築する場合は、機能が充実しているフルスタックなフレームワークが適しています。
スマートフォン向け小規模のアプリケーションを作る場合は、軽量で必要最小限の機能を持ち、スマートフォンに対応しているフレームワークが適切でしょう。
このようにフレームワークを選ぶ際は、プロジェクトの目的やニーズに合わせたフレームワークを選択することで、効率的で安定した開発が行えるようになります。
②学習コストが見合うか
JavaScriptフレームワークを選択する際は、学習コストを考慮する必要があります。
学習コストの高いフレームワークは習得するのに時間がかかり、その結果、システムリリースまでに時間を要してしまいます。
さらに、高い学習コストは、フレームワークの利用メリットを薄めてしまうかもしれません。
新しいフレームワークを使用する場合は、学習コストが低いものを選択することが理想的です。
これにより、スムーズにプログラム開発を行い、システムリリースまでの時間を短縮できます。
フレームワークの選択においては、学習コストと開発効率を考慮することで、プロジェクトが成功する可能性が高まるでしょう。
③将来性はあるか
JavaScriptフレームワークの選択においては、将来性を考慮することも重要です。
将来性があるフレームワークは市場での普及率や更新頻度が高い傾向にあり、今後も多くの人が利用することでサポートが充実し続けるでしょう。
また、更新頻度が高いフレームワークは、新しい技術や仕様に対応しているため、将来的にも利用される可能性が高くなります。
普及率や更新頻度が高いフレームワークを選ぶことで、アプリケーションが常に最新の状態に保たれ、長期的にシステムを稼働させられるので、安心して利用できます。
7.フレームワークを利用するメリット
JavaScriptフレームワークは、システム開発をスムーズかつ効率的に行うためのツールです。
フレームワークを利用するメリットはたくさんありますが、ここでは次の2つについて説明します。
・開発作業効率の向上
・ソースコードの統一
①開発作業効率の向上
JavaScriptフレームワークを利用することで、開発作業効率が向上するというメリットがあります。
フレームワークは、再利用可能なクラス・テンプレート・APIが利用できるので、開発者が手作業で行うコーディング作業を省略可能です。
例えばデータベースへの接続やファイルのアップロード、HTMLテンプレートの描画など、一般的に必要とされる機能がフレームワークに標準装備されているので、開発者はこれらの機能を実装する手間を省略できます。
これにより、開発時間を短縮し生産性の向上を実現することが可能です。
さらにコーディング量が減るので、高品質なアプリケーションの開発ができます。
②ソースコードの統一
複数人が関わるチーム開発においてフレームワークを使うことで、ソースコードの統一性を維持できるようになります。
チームでソースコードが統一されていると、プログラムの修正や改善がスムーズかつ効率的に行えます。
チームに開発スキルが低いエンジニアがいる場合でも、フレームワークを使用することでソースコードが統一されるので、コードの品質が担保され、プロジェクト全体の品質が向上するでしょう。
また他人が書いたソースコードも理解しやすくなり、他の人が作ったプログラムを再利用できるため、作業効率の向上や属人化の解消に繋がります。
8.フレームワークを利用するデメリット
JavaScriptフレームワークには多くのメリットがあるのと同時に、デメリットもいくつかあります。
そのなかでも特に問題なのが、”学習コストの高さ”や”パフォーマンスの劣化”といった点です。
ここでは、それぞれについて解説していきます。
①学習コストの高さ
フレームワークを利用するために、ある程度学習コストがかかるのがデメリットです。
JavaScriptフレームワークを利用するには、そのフレームワークの利用方法や特徴、書き方などを理解する必要があります。
フレームワークによっては独自の記述方法や操作ルールがあり、学習には時間や労力がかかります。特に多くの機能を搭載しているフルスタックフレームワークは使いこなすのに時間がかかるでしょう。
また需要が少ない外国製のフレームワークの場合、日本語ドキュメントが存在しなかったり、インターネット上に情報が少なかったりする場合があり、これがハンデになることもあります。
②パフォーマンスの劣化
JavaScriptフレームワークを利用することで、システム開発の工数が削減される一方で、Webサイトやアプリケーションのパフォーマンスが劣化する可能性があります。
これは、プログラム実行時にJavaScriptフレームワークに含まれる多くのライブラリが読み込まれるため、システムの起動や実行が遅くなることが要因です。
パフォーマンスの劣化を防ぐためには、フレームワークを適切に選択し、必要な機能だけを利用することが重要になります。
また、Webアプリケーションシステムが稼働するサーバーのスペックを上げることも有効な手段です。
9.フレークワークを使わないで開発は可能か?
フレームワークを使わずに、JavaScriptだけでシステム開発を行うことは可能ですが、これまで述べたようにフレームワークは様々なメリットを持っており、開発をよりスムーズにするものです。
ただし、開発案件やシステム実行環境、および開発メンバーのスキル状況によっては、メリット以上にデメリットが大きくなる可能性があります。
フレームワークの導入が、実際にメリットをもたらすかどうかを検討してから利用するようにしましょう。
※掲載された社名、製品名は、各社の商標及び登録商標です。